【現役合気道家】合気道は強い??合気道が総合格闘技に出ない7つの理由

こんにちは、レモンです。
護身術などで知られている合気道。

「合気道は実際に総合格闘技で実際に戦えるのか?」「なぜ合気道は総合格闘技に出場しないのか?」という疑問について現役合気道家の自分が考えたいと思います。

合気道ってどんなもの??

僕も現在合気道初段で、合気道を四年ほど取り組んでいます。合気道の稽古は好きですし、楽しいものです。
武道や格闘技の経験や知識のない未経験者の人にとってはこの動画のように相手の力を流し、黒袴のオトコがポンポン投げられ、カッコよく見えるでしょう

その為、護身術としても人をポンポン投げられ、とても有効的だと考えている武道や格闘技未経験者の人も多くいます。

そして武道や格闘技などの経験を積んでくると、合気道が実際に使えるか(護身術として格闘技として)どうか疑問に思う人も多くいます。(ルールのない護身術としては有効だともいわれています。実際に警察や軍隊でも合気道は採用されています)

また格闘技をやっている人な好きな人などからよく知恵袋などで上がる質問

「なぜ合気道は総合格闘技の試合に出ないのか?」

確かに空手や柔道が総合格闘技に出ているのに、「合気道は?」と思うのは自然な事です。
僕も柔道から転向(柔道は弱いです)してきた為、その事について疑問に思っていました。また数ヶ月前から総合格闘技の練習もしている為、自分の合気道家としての考察からなぜ合気道が総合格闘技の試合に参戦しないのか7つの事柄から考えていきたいと思います。

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技自体が難しすぎてそもそも総合格闘技の試合に応用できる稽古者がいない

まず、合気道には基本的に試合はなく、稽古は型稽古で行います。これを前提としています。
合気道の技術体系ですが、中々技術体自体が難しいことが1つの要因でもあります。この点に関しては3つの理由があり、この3つの応用が難しいのです。

“合気” や “呼吸力” が難しすぎる

合気道は力を使わないと言われますがいくら力を使わないと言っても、完全に脱力していては力は出せません。合気道では局所的な力ではなく、全身の筋肉を効率的に動かす必要があります。(例えば腕を動かすなら、腕の筋肉だけでなく、体自体の筋肉を連動させ、腕に伝えることで非力であっても大きな力を生み出すことができるとされている。よく言う合気or呼吸力)これにより合気道の動画などで見る、“合気” や “呼吸力” を出す事ができます。


しかし、この “合気” や“呼吸力” 、身に付けるのがすごく難しいです。また通常は手首を使われた状態で稽古します。

それだけでも苦労するのに、手首以外のところを持たれた時に合気や呼吸力を応用して使えるのかというとかなり難しいです。いわゆる刃牙の渋川剛気の様にできたら如何にすごいかという事です。

合気道の技をタイミングだけで施すのが難しい

合気道や他の武道、格闘技などはタイミングが重要です。合気道の場合、相手の力を利用する為、相手のタイミングに合わせる事が大切です。

合気道ではいわゆる一連の技の流れのタイミングや相手の打ってきたタイミングに合わせ、技を施すのですが、そのタイミングを合わせる事がやはり難しいのです。

なぜなら、相手が力一杯大きなモーションで打ち込んでこれば、相手の体重も乗っており、容易にタイミングを合わせる事ができます。


この動画の塩田先生のようにタイミングをばっちり決め、キレのある技でなければ、技はうまくかかりません。

また、実際に打撃系格闘技などの試合では、思いっきり大振りのパンチなどは最初から打って来ず、ジャブなどで牽制し、自分のバランスが崩れないように強いパンチを打ちますし、組み技系格闘技であれば、自分のバランスを崩さない様に技を施します。

その為、格闘技との試合というシビアな状況で合気道の稽古の様に相手が自分のバランスを容易に崩される様な体制で攻撃してくる事は少なく、むしろ隙の少ない状況でコンビネーションなどで打ち込んできます。

その為、その僅かな隙(タイミング)を合気道家が捉える事は困難を極めるのです。

円運動を活かすのが難しい

合気道で大切な要素の1つが円運動です。

合気道では相手に押されても引かれても円運動を利用する事により相手を崩し、投げを作ります。口で言うのは簡単ですが、型稽古ですかや、この円運動が難しいのです。

なぜなら自分を中心に回る為、相手を円運動で崩す際の遠心力や相手のパワーに負けない必要があります。

しかし、円の中心である自分の中心軸(コンパスの針だとイメージして頂ければ良いと思います)を遠心力や相手のパワーによって崩される事が多い為、中々円運動を使いきると言うことは難しいのです。その為、格闘技の試合で円運動を活かす事は至難の技です。

そもそも稽古の内容がそのまま格闘技の試合で使えるような技が少なすぎる

合気道の稽古内容は身体の身体操作なとを学ぶと言う意味合いもあり、他の武道や格闘技とはかなり違う部分があります。もちろん中には他の武道や格闘技と類似した技もありますが、これらの技は少数です。
この(2)については5つの観点から考えたいと思います。

合気道の稽古には顔面パンチもキックもありません(対打撃)

合気道は剣術の流れを汲んでいるという事もあり、顔面を狙う際も「正面打ち」や「横面打ち」と言い、手刀を刀や短刀と想定し、打ち下ろしてくる攻撃を裁く、投げる又は固めるという稽古をします。もちろんパンチ(突き)もありますが、ほとんどが “中段の順突き” です。

これは短刀で中段の急所を刺すが故の動作らしいのですが、そもそも格闘技の試合でこんな突き方をボディーにしてくる選手はそうそういないでしょう。

他、手首を持たれた、襟を掴まれた、などというシチュエーションで稽古しますが、打撃系格闘技の様に顔面パンチや蹴りに対する稽古は通常は行いません。(稽古している所もあるようですが)
いきなり顔面パンチをしかけない理由は色々あるそうですが、日本刀持ってる武士にいきなり顔面を突いてくる奴はいないから、や合気道は素手による格闘術ではなく、身体の操作法を学ぶものであるから、顔面パンチに対する稽古を行う必要がない、など様々な理由があるそうです。

*詳しくは僕も分かりません。
また蹴りに関しては、合気道の創始者の植芝盛平翁が人を蹴ることを汚らわしいとし、認めなかったからなど理由があります。(ちなみに合気道の技法に蹴り技がないのは蹴りの際軸足一本になるのが不安定である為とも)

上記の理由などにより合気道家は基本的に顔面突き、蹴り技の稽古をしていない為、対応する事ができません。その為、もちろん格闘家の突きや蹴りは防御することも難しいです。しかし打撃系格闘技経験者の合気道家になると話は少し別。

(自分も極真空手や少林寺拳法の経験者とライトスパーしたものの、打撃に対してはさっぱり対応できませんでした)

組み技もそこまで激しくない(対組み技)

合気道ですから投げ技や関節技もありますので、組み技の稽古をしますが、技を施す時の間合いが柔道の間合いと空手の間合いの中間地点と言われており、微妙な間合いで技を稽古します。

その為、投げの難易度を高く、ガチガチに力を入れてはその微妙な間合いで稽古するのが難しい為、また型稽古の為、柔道やレスリングの様な激しい攻防は起こりません。

多くの合気道家はガチガチに組まれる稽古をしていない為、余程腕が良くないと合気道の投げ技や関節技を組み技格闘技経験者にかけるのは難しいです。(その為僕もガチガチに組んでもらって稽古しますが、これだと中々合気道にならない難しさがあります、僕が下手だからでしょう。)

また投げ技の際、掴まれる場所も手首が多く、そんな都合良く、合気道的な手首の掴み方(掴んだら動かず技を受けてくれる、合気道の型にある手首の掴み方)をしてくれる相手もいません。
もちろん投げ技や関節技自体は有効です。

9割以上の合気道家は中々投げ技を相手が動いている中や組み技経験者に施すことは難しいですが、中にはその事を平気でやってのける猛者もいます。

ちなみに試合のある合気道の流派の動画です。

もちろん寝技もありません

現在総合格闘技に必須の寝技ですが、合気道には寝技はありません。
合気道にも固め技はありますが、基本的に攻撃してきた相手を関節技などでバランスを崩しす事で、相手をうつ伏せにし、自分は正座の状態で相手を固めます。

その為、ブラジリアン柔術や柔道の様な寝技は存在しません。理由としては合気道が対1人を想定しているのではなく、対複数人の敵を想定し、それらの敵から身を守る(その状況から逃れるが第一優先)為のものであるからです。対複数人に対して寝技は物理的にできませんよね。

その為、合気道家は基本的に寝技に対応できません。

下段の攻撃に弱い

合気道の稽古ではもちろん下段の攻撃に対する対処法は直接学びません。というか下段の攻撃に対する型はありません。その為、足元が疎かになるので、ローキックや足払い、タックルに合気道家はかなり弱いです。

相手を自ら攻撃する技法を知らない

よく知られている通り合気道は護身術とも言われている様に、自分から相手を突いたり、蹴る、掴んで投げる技は皆無と言っていいほど、合気道の型稽古には含まれていません。ですので、カウンターが主になります。その為、大部分の合気道家は試合に出たとしても攻撃ができません。

しかし、合気道の理想としては相手の攻撃を待ちカウンターを狙うと言う事は後手後手に回ってしまう為、本来は相手に攻撃させるよう仕向け、それに合わせカウンターを合わせる事を理想としています。しかし、この事を行うのはかなり難しいです。

また合気道の技は型稽古通りにやっている場合、カウンターにしか使えませんが、応用していくと攻撃を仕掛ける事も可能とされています。(実際に攻撃に転じる様技を応用するのは難しいです)しかし、大部分の合気道家は攻撃に使おうとも考えない為、その様な変形の技は稽古していません。

以上の様に合気道家は攻撃する技法を知らない、できない、知っていても攻撃するのが難しいのです。

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合気道を極めた頃には格闘技の試合なんかに出られる年齢じゃない

合気道は何十年かけて稽古し、やっとモノになるものであると良く言われています。(僕なんかは全然ヒヨッコな訳です涙)その為、合気道を極めた、高いレベルまでレベルアップした、時にはかなり歳をとっている場合がほとんどです。

そうなると格闘技の試合に必要な体力やスタミナも怪しく、また高齢になるほど、格闘技の試合は危険です。

そして、そんな頃にはもう格闘技の試合に出たいとも思わないのでしょう。そもそも総合格闘技様の稽古をしておらず、体力も怪しい訳ですから、勝算があると考える方は少ないのでしょう。

合気道の多くの技は基本的に反則である場合が多い、また反則でなくても活かすことが難しい

合気道の投げ技や関節技は基本的に投げ技であれば関節を極めながら投げますし、関節技は寝技からの展開ではなく、立った状態からかけるいわゆる “立ち関節” が主流です。

極める関節も手首関節が多く、多数の格闘技の試合では立ち関節や間接を極めながらの投げ、手首関節を極める事、反則である場合が多くあります。

また実際に “間接を極めながらの投げ” や “立ち関節” は関節を極め続けること、極める事が、難しく、格闘技の試合で反則にならなくても活かす事は相当難しいでしょう。

合気道家の多くは比較的とても穏やか

合気道を稽古している人は比較的他の武道や格闘技に比べると穏やかな人が多い印象があります。

比較的、好戦的な人は少なく、どちらかと言うと空手の様に人を殴ったり、蹴る、柔道の様に取っ組み合いをしたりする、など言う激しい事が苦手である人やそのような運動に耐えられない人、合気道自体が好戦的ではないことに魅かれ始める人が多い様に思えます。

ですので、格闘技の試合で自分の合気道を試したいなどと考える人は少ないでしょうし、逆にその様な事が怖いと思う合気道家もいると思います。

この事が個人的には一番大きな要因ではないかと思います。そもそも格闘技の試合に合気道で出る事を考える人は少数派なのかもしれません。

合気道界全体のフィジカルのレベルが低い

他の武道や格闘技であれば筋力トレーニングなどをしたりして、体を鍛え、フィジカルを上げる事を大切しています。

しかし、合気道の場合、技法上、局所的な筋肉を鍛える必要がない、試合がないが為に積極的に身体能力を向上させるトレーニングをする合気道家は少数派です。(大学の合気道部などではよく行っていますが)

その為、フィジカルのレベル(筋力、瞬発力、反射神経、持久力)が低く、他の武道や格闘技の人と競り合う事ができません。
中にはトレーニングをしているゴリゴリの合気道家もいますが‥

試合の駆け引きができない

格闘技以外のテニスやサッカー、野球などの試合のある対人競技にはその競技ごとの試合における駆け引きがあります。

例えば、柔道であれば、あいての組み方や技の傾向、力の掛け方を読み技をかけます。また自分が読んでいる事は当然相手も読んでいる可能性があるので、更にその裏を読み、それも読まれていれば、またその裏を読んで技をかけます。

「駆け引きの力」はその競技などに取り組んでいないと身につかないものでありますし、格闘技であれば何か自分のバックボーンとなる格闘技で「駆け引きの力」を学んでおくと他の格闘技や総合格闘技で活かせる事もあるかもしれません。

しかし、合気道の場合、厳密には合気道の技の中にも他の格闘技と同じ様に駆け引きがありますが、型稽古の中でそのような駆け引きを意識して稽古を積む修行者は多くありません。また試合独特の相手からのプレッシャーや恐怖に対するメンタル面強くはないかもしれません。

以上が僕の考える合気道家が総合格闘技に出場しない理由でした。


最後に試合に出た少なき合気道家たちを紹介

合気道の人口も世界的に多くなってきているので、他の格闘技と異種格闘技戦をした、という合気道家もいますので、紹介したいと思います。

この動画は0:28頃に小手返しが極まっています。合気道らしい技がでた動画です。

この動画は隻腕の合気道家が奮闘する動画です。

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コメント

  1. ささみ より:

    私も剣道、合気道と学んでおります。
    ご考察された内容について、概ね同意いたします。
    加えて、競技化されていないことで全日本・世界選手権(オリンピック)活躍→総合へというプロセスが無いことも理由かな、と思います。

    ところで、私が合気道を学んだ道場ではたまに顔面パンチ対応も練習します。
    全ての技の入りは当て身の呼吸を以て行うという、故西尾昭二師範縁の道場だからかもしれません。
    興味がありましたら、youtube等で「nishio sensei」と検索していただけると良いかと思います。1980年代~90年代前半位の動画です。

    • remon21 より:

      ささみさん、コメントありがとうございます。

      ささみさんが僕のブログで初めてコメント下さった方なのでとても嬉しいです。

      剣道と合気道を学んでいらっしゃって素晴らしい経歴をお持ちですね!

      そうですね。合気道は富木流や合気道S.Aなどを除いて競技化されておらず、やはりそれが総合格闘技へ出場できない原因である事に僕も同感です。

      そこで洗練された技術が総合格闘技に活かせる事がどの競技でも起こっていますので、競技化の必要性もあると思います。

      しかし、僕自身柔道も競技者として経験しておりまして、競技至上主義へ走る可能性も否めず、競技化へは慎重に考えるべき、とも考えています。

      やはり競技化すると武道的な意味合いから黎明期からはどんどん離れていく傾向にどの武道もあると考えるからです。

      顔面パンチへの対応も稽古されてるなんて素晴らしいですね。西尾師範の道場なんですね。僕も対当身の研究で何度か動画を見た事がありますが、もう一度見てみようと思います!

      丁寧に検索ワードまで教えてくださり、ありがとうございます。研究させて頂きます。

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